このブログはWordPressで運営しているのですが、記事を更新するのには二つの方法があります。一つはブラウザでWordPressにアクセスして内蔵エディタで書く方法。もう一つはテキストエディタやブログエディタを用いて文章を書き、WordPressにアップロードする方法です。
前者のメリットはやりたいことがなんでもできることです。デメリットはデザインが悪く、ゴチャゴチャしているので執筆に集中できないことです。
後者のメリットはシンプルな画面で執筆に集中できることです。デメリットは機能が限られているため、やりたいことを実現するのが難しい場合があることです。
機能性をとるか書き心地をとるかという非常に悩ましい問題に頭を抱えた僕があれこれとエディタを試した感想がこの記事の内容になります。
有料のエディタを購入するのは心理的なハードルが高いので、迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
求める機能
マークダウン対応
HTMLのタグ打ちはなるべくしたくないので、マークダウンに対応しているか、ボタン一つで簡単に装飾できてほしい。
iOSとMac間で同期
iPhoneとMacを所有しているので、どちらでも書けるとありがたい。
ローカル画像を貼れる
マークダウン対応エディタの中にはマークダウンで文章を書くことにのみ特化しているものがあり、画像を貼るためにはサーバーにアップしてURLをマークダウン形式で書かないといけなかったりする。それは非常にめんどくさいので避けたい。
インライン画像表示
スクリーンショットを貼りつけて説明する記事を書くことがあるので、画像を見ながら文章を書きたい。
拡張キーボードがある(iOS)
文章装飾用の拡張キーボードがあるといちいちマークダウン用の記号を書かなくて済む。
文字数カウント
短すぎるのも長すぎるのも避けたいので文字数はやっぱり確認したい。
WordPressに直接投稿可能
エディタで書いた文章をコピーしてWordPressに貼りつけて……という手間はないほうがいい。
Bear
いい点
- デザインが美しい
- 見出しレベルごとに表示される大きさが変わる
- 画像のインライン表示
悪い点
- フォルダではなくタグでノートを管理
- デバイス間同期が有料(月額150円、年額1,500円)
- iPhoneだと横幅が狭い
- WordPressに投稿できない(公式によるといつか機能を追加するつもりらしい)
総評
Bearの強みはなんといっても美しいデザイン。使っていて気持ちがいいし、書く気にさせてくれる。
残念なのはデバイス間同期が有料なこと。しかし、良心的な価格なので、デザインの美しさにほれてしまった人にとっては充分に支払うだけの価値があるだろう。
いい感じにWordPressに投稿する機能がついたら他のエディタを差し置いてBearを使うと思う。
Ulysses
いい点
- シンプルかつスタイリッシュなデザイン
- 高い機能性
- WordPressに投稿すると改行を段落として扱ってくれる
悪い点
- iOS版とMac版をそろえると結構高い
- 画像をインラインで表示してくれない
総評
Ulyssesは文章執筆用エディタの中でトップクラスの知名度と機能性を持つアプリ。
ちょっとしたメモからまとまった文章まで書くことができる。
ブログ用エディタとして使ううえでの唯一の欠点が画像のインライン表示をしてくれないこと。これさえできればブログ用エディタとして使えるのに。
iA Writer
いい点
- 拡張キーボードがとても使いやすい
- WordPressに投稿すると改行を段落として扱ってくれる
悪い点
- シンプルなのはいいが、若干ダサい
- 画像をインラインで表示してくれない
- バグのせいでプレビューでも画像が表示されない
総評
とにかく文章を書くことに集中したいのならシンプルでいいエディタだと思う。
Byword
Mac版は持っていないので画像がありません。
いい点
- シンプルであること
悪い点
- シンプルすぎてカスタマイズできる部分が少ない
- テキストをファイルとして扱うので、感覚的に重さを感じる。いちいちファイル名を決めないといけないのがめんどくさい。
- 太字のプレビューにバグがある
総評
Bywordは古くからある有名なエディタだが、優れたエディタが多数存在する今となっては特段優れている機能がないように思う。
MWeb
いい点
- 画像のインライン表示
- 見出しのナビゲーション&ジャンプ
悪い点
- 同期が遅い
- iOSとMacで同期すると画像がバグって表示されなくなる
- WordPressに投稿すると改行が段落にならない
総評
多機能でいいエディタではあるのだが、同期が遅かったりバグがあったり、iOSからだと制約があったりとまだまだ荒削りな印象。
改行が段落になってくれれば一応は使えるエディタになる。
Blogo
いい点
- テキストエディタではなくブログエディタなので、WordPressと同期して過去記事の編集ができる
悪い点
- キャレットをタップすると拡張キーボードが出てくるのだが、すぐに消えてしまったりうまく出なかったりで操作性が悪い
- マークダウンモードだと画像をインラインで表示してくれない
- HTMLモードだと画像をインライン表示するが、中途半端な表示の仕方だし、見出しがとても入れにくい
- WordPressに投稿すると改行が段落にならない
総評
初期の頃はバグがひどくてとても使えたものではなかったが、最近はどうなのだろうか。
文章が消えるバグが怖くてあまり使う気になれない。
拡張キーボードの使い勝手が悪かったり、画像のインライン表示に難があったりするので、ブログ用エディタとして使うのは難しい。
WordPress(iOSアプリ)
いい点
- 純正なので必要な機能は大体そろっている
- デザインがきれい
- 改行すれば段落扱いになる
- 必要であればHTMLモードに切り替えることができる
悪い点
- 画像を追加すると即座にアップロードするので、少し待たされる
- 見出しを挿入するボタンがないので、HTMLモードに切り替えてタグを打たなければいけない
- 画像サイズの選択肢がWordPress.orgでの設定と違うので、合わせるためにはHTMLモードに切り替えて設定する必要がある
- マークダウンに対応していない
総評
マークダウンに対応してほしい。見出しボタンが欲しい。画像サイズの設定をWordPress.orgと合わせてほしい。そうすればこれだけで快適に記事を書くことができるのに。
WordPress.org(ウェブ)
いい点
- すべての機能がそろっている
- Jetpackでマークダウンの設定をすればちゃんとマークダウンに対応する
- エディタにCSSを設定すればブログの見た目を再現できる
悪い点
- iPhoneからだと文章を書いていても画面が自動で下に移っていかないので、手動でスクロールする必要がある
- 下にスクロールするとツールバーが画面の外に消えていってしまう
- iPhoneからだと使えないプラグインがある
- デザインがダサい
総評
どんなエディタで執筆していても最終的にたどり着くところ。
見た目の問題を無視するなら、最初から最後までここで書くのが一番手っ取り早い。
Macからだとここで充分に書けるが、iPhoneからだと書きづらい。ウェブアプリの宿命か。
WordPress.com(ウェブ)
いい点
- デザインがいい
- WordPress.orgほどではないが、ほとんどの機能はそろっている
- マークダウン対応
- デスクトップアプリも存在する(なぜか下書きにアクセスできない)
悪い点
- iPhoneからだと文章を書いていても画面が自動で下に移っていかないので、手動でスクロールする必要がある
- 下にスクロールするとツールバーが画面の外に消えていってしまう
- 画像サイズの変更がわかりにくい
総評
WordPress.orgに機能では劣るが、こちらで書いてもそこまで問題はない。
やはり、iPhoneからだと書きづらい。
デスクトップアプリはこちら。
まとめ
どのアプリも一長一短で、「これ」というアプリがない。
Macだけで執筆を完結させるなら、ここに挙げたエディタ以外にも豊富な選択肢があるのだが、iPhoneでも書きたいとなると選択肢が一気に減る。
画像を使用しないのであればどのエディタで書いてもよい。最終的にUlyssesに持ってきてWordPressにエクスポートすれば改行が段落になる。
画像を使用するならば、現状ではWordPress公式のアプリかウェブからの更新がベストな選択肢になると思う。